VOL.51 パンダのやぐら

体調を崩した動物の一部は、病院に入院して治療をします。病院の常連になるのは当然好ましいことではないのですが、まったく病気もけがもなく過ごす動物がいる一方で、たびたび入院する個体もいます。 そのうちの1頭がプレーリードッグのオス、ピーターです。歯を折ったり、顎に膿がたまったりして何度も入院しているのですが、今回は皮膚に真菌(カビの仲間)が感染して毛が抜けてしまい、しっかり治すために入院することになりました。 病院慣れしているピーターは、以前の入院でも我が家のようにくつろぎ、ヒトが部屋に入ってくると、かまってほしくて声を上げ、あごやお腹を撫でてもらってウットリしていたのですが、今回の入院はプレーリードッグのオスが発情期を迎え、非常に攻撃的になる冬です。現に、入院直前のピーターは、清掃や給餌でやむなく展示場に入る職員を威嚇し、時には飛び掛かって噛みついてくるほどでした。こんな状態での入院だったので、病院でも以前のように甘えてくるどころか、おとなしくしていないのだろうな…と思っていたのですが。不思議なことに、入院翌日から嘘のようにおとなしくなり、以前のように甘えるのです。他の個体と一緒の時は強いオスとしてメスを手に入れなくてはならないのですが、その必要がなくなったからなのか、それとも入院室がよっぽど落ち着くのか、真相はわからないものの、良い患者さんなので助かっていることは確かです。

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